1. 「まさか」は通用しない
近年、自然災害、サイバー攻撃、サプライチェーンの寸断など、
企業を取り巻くリスクは多様化し、その影響は深刻さを増しています。
特に、経営資源に限りがある中小企業にとって、これらのリスクは
事業継続を大きく揺るがす可能性があります。
「まさかうちの会社に限って…」という油断は命取りです。
リスクは規模に関わらず潜在的に存在し、中小企業こそ、一度危機に陥ると
立て直しが困難になるため、事前の備えが何よりも重要となります。
リスクマネジメントとは、企業を取り巻く様々なリスクを特定・分析し、
適切な対応策を計画・実行する活動全般を指します。
中小企業にとってこそ、リスクマネジメントは事業を守るための
大切な生命線となるのです。
2. 中小企業が直面する具体的なリスクとは
中小企業が警戒すべきリスクは多岐にわたります。
地震や台風などの自然災害は、従業員の安全確保はもちろん、
事業所の損壊、設備や在庫の損失、サプライチェーンの途絶と
いった直接的な被害をもたらします。
また、巧妙化するサイバー攻撃は、情報漏洩、業務停止、信頼失墜と
いった深刻な事態を引き起こします。
さらに、感染症のパンデミック、風評被害、訴訟リスク、経済情勢の変動なども、
企業経営に大きな影響を与えかねません。
これらのリスクは単独で発生するだけでなく、複合的に発生する可能性も
考慮する必要があります。
それぞれの脅威を具体的に理解し、対策を講じることが、
事業を守るための第一歩となります。
3. 中小企業が今すぐ始めるリスクマネジメントの洗い出し
中小企業がリスクマネジメントを始めるにあたり、
最初に行うべきは「自社を取り巻くリスクの洗い出し」です。
想定される自然災害、情報システムの脆弱性、事業継続を脅かす
要因など、あなたの会社の弱みを具体的に検討します。
次に、各リスクが事業に与える影響度と発生頻度を評価し、
対策の優先順位を決定します。
そして、優先度の高いリスクに対して、具体的な対策を
実行に移します。
例えば、オフィスの耐震対策、データの定期的なバックアップ、
BCP(事業継続計画)の策定と訓練などが挙げられます。
リスクマネジメントは、事業を守るための投資です。
「備えあれば憂いなし」の精神で、今日から具体的な行動を
開始し、強固な企業体質を築き上げましょう。
なお弊社では、あらゆる業態に応用可能な
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リスクマネジメント分析の一助として、ご活用いただけますと
幸いです。