【中小企業の羅針盤015】事業開始前に知っておきたい潜在的な危険と対策

1.夢と希望だけでは乗り越えられない

起業は、自身のアイデアや情熱を形にする魅力的な挑戦ですが、同時に多くのリスクを伴います。

事業計画の甘さによる資金ショート、市場ニーズの誤認による売上不振、競合の激化、人材の確保難、法規制の変更など、事業開始前から事業運営に至るまで、様々な潜在的な危険が存在します。

コロナ禍で流行した起業塾でも、開業届を出せば簡単に起業できることを説明しますが、個人事業主と法人設立の違いや青色申告の出し方など、詳しいことは教えてくれません。

「なんとかなるだろう」という楽観的な見通しだけでは、これらのリスクに対応することはできません。事業を成功に導くためには、起業前に潜むリスクをしっかりと認識し、適切な対策を講じることが不可欠です。

2.事業フェーズごとの主要なリスクと対策

起業のリスクは、事業のフェーズによってその内容が変化します。

事業準備段階では、市場調査の不足や計画の甘さがリスクとなります。この段階では、入念な市場調査を行い、現在の職場を退職しても最低1年間は貯蓄でまかなえるような生活設計をを策定することが重要です。

事業運営段階では、売上不振、人材不足、資金繰りの悪化などが主なリスクとなります。この段階では、税制優遇やなマーケティング戦略の実行、適切な人材採用と育成、そして慎重な リスク管理が求められます。

事業成長段階では、急激な事業拡大による 人材不足、資材不足や資金調達の難しさなどがリスクとなります。この段階では、組織体制の強化、ガバナンスの構築、そして多様な資金調達手段の検討が必要となります。

3.リスクを最小限なものにするために

起業におけるリスクを完全に排除することは難しいですが、事前の 入念な準備と適切な対策によって、その影響を最小限なものにすることは可能です。

準備段階から、 設立書類作成、会計、税務などの専門家のアドバイスを受けることは、リスクを未然に防ぐ上で非常に有効です。

また、 設置場所の自治体の中小企業振興課や商工会議所やアドバイザーからの経験に基づいた助言も、起業の成功率を高める上で貴重な財産となります。

リスクを恐れるのではなく、しっかりと認識し、備えることで、起業という挑戦を実りあるものにすることができるでしょう。

「中小企業の羅針盤」は、今回で最後の連載となります。BCPを中心に防災や社会リスクについての代表例についてお話してまいりました。

今後も違った切り口で、みなさまに有益な情報をお届けしていきたいと思います。お読みくださいましてありがとうございました。

(ウカワ マミ)


 

 

 

 

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