1.危機管理は一部の担当者だけでは不十分
効果的な危機管理体制を構築するためには、一部の担当者だけでなく、全従業員が危機意識を持ち、それぞれの役割を理解し、適切な行動を取れるようにすることが不可欠です。危機はいつ、どのような形で発生するか予測できません。そのため、日頃から従業員一人ひとりが危機に対する意識を高め、迅速で正確な対応ができるようにしておくことが、被害を最小限に抑える上で重要となります。
危機管理士の視点からは、組織全体の危機意識の向上は、強靭な企業文化を醸成する上で不可欠となります。
2.危機意識を高めるための具体的な啓発活動
組織全体の危機意識を高めるためには、日頃から様々な啓発活動を行い、継続的に実施する必要があります。具体的には、研修やセミナーを通じて、企業を取り巻くリスクや危機管理の重要性、そして従業員が取るべき行動について教育することが基本となります。また、防災訓練やBCP訓練などの実践的な訓練を通じて、緊急時の対応能力を向上させることも重要です。さらに、過去の事例や業界特有のリスクに関する情報を社内の末端まで共有することで、従業員の関心を維持し、危機意識の風化を防ぐことができます。
3.トップのコミットメントと継続的なメッセージ
従業員の危機意識を高め、それを組織文化として根付かせるためには、経営トップの強いコミットメントと、継続的なメッセージの発信が不可欠です。トップが率先して危機管理の重要性を語り、啓発活動を支援する姿勢を示すことで、従業員の意識は大きく変わります。また、朝礼や社内報、イントラネットなどを活用し、どんな小さな事柄でも危機管理に関する情報を発信し続けることで、従業員の意識を維持し、行動に繋げることができます。危機管理士の視点からは、トップのリーダーシップこそが、組織全体の危機意識向上と強靭な危機管理体制構築のキーマンとなります。
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