母は77歳で、要介護2です。4年前に「意味性認知症」と診断されました。その時は…それはそれは…ショックでした。
クリニックから帰宅後、3人で抱き合って泣いたのを覚えています。まだ母は「ことの重大性」を理解できたので、私達に「もし私がボケたら、施設に入れていいからね。こんな母ちゃんでごめんなさいね」と言って、娘達の頭を「いい子、いい子」となでてくれたのです。
しかし!オバちゃん姉妹に泣いている暇なんてない!!
だってその時、私達は会社員でした。会社には介護休暇制度もない、そんなに会社休めないし、出張も多いし、残業も多い。私達には、仕事を辞めても食わしてくれる旦那さんがいない。将来は孤独死覚悟なのですから、働かないといけない。「来週出張だ」「明後日会議だ」「どーすんだ!どーすんだ!」の毎日です。
だから、徹底的に「意味性認知症」について研究しました。妹は海外の文献まで調べていました。アメリカに留学経験もあって、家庭医学の重要性を説く穏やかな主治医の先生が推薦してくれた
「認知症 専門医が語る診断・治療・ケア(中公新書)/池田学先生著」
さて、先生に最初に言われたことは、「認知症は治らないが、悪化のスピードを遅くすることにより尊厳を保持できる」ということでした。「尊厳の保持」って言葉に敏感な私達は、介護保険法の趣旨をきちんと理解した上で「行政サービス」を利用しようと決意しました。そして私達の介護生活は始まりましたが、毎月検診に行くと、「介護力が高いから状態が本当にいいね。どういうことをしているの?」と言っていただけるため、本当に嬉しいです。
ところで、2025年の日本は、2019年と比較して、下記のようになるみたい。
■超高齢化社会(65歳以上の人口) 3384万人(26.7%)→ 3657万人(30.3%)
■認知症の増加462万人→730万人 ※小学生642万人より多い
■要介護者の増加560万人→700万人
■医療費52.3兆円(厚労省保険局推計)
一番なりたくない病気は「認知症」なのに、このままいくと個人と社会の医療費負担増が止まらないですよ。どーすんだ!
私は早々に「母が認知症なのでご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」と宣言して、お取引先の方にもご理解をいただきました。そうしたら、介護をされている方が結構いて、介護制度の矛盾を感じている人もたくさんいることがわかりました。その時、アンケートを取って、回答してくださった皆で共有しました。そこには5つの課題がありました。
今後、この問題についてもレポートしたいと思います。