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    経営者としての心がまえを学ぶために参加したセミナーで、印象に残っている言葉…『撤退ポイント

    先週末から今週はじめにかけて、石原プロモーションが来年1月に解散するということが話題になりました。
    戦後日本映画界最大のスター、石原裕次郎さんが設立したプロモーション。映画俳優が興した事務所のさきがけであり、俳優より映画スタッフを多数抱える事務所として知られます。
    この事務所が残した功績は、日本映画界の負の遺産といわれる「五社協定」(移籍や引き抜きの禁止等)を、三船敏郎さんが率いる三船プロとともに、打ち破ったこと。

    映画「黒部の太陽」は、黒四ダム開発の苦難を描いた1968年の作品ですが、私の初見は2012年頃です。
    初公開から実に44年、その間この作品は、「予告編が小樽の記念館で観られる」「十七回忌法要の特別上映会のチケットに当選した人だけが観られる」というレアな作品、監督した熊井啓さんでさえ封切り時の3時間15分の完全版を観られなかったそうです。

    何故ならば「映画は映画館のスクリーンで観るものという故人の遺志によるもの」とプロモーション側がコンテンツ化を拒んでいたから。
    また、同プロモーションがテレビドラマとして制作した「西部警察」も、法要の時期に断片的な再放送。有料のCSで放映が開始されたのは、1990年代半ばと記憶しています。

    節目の法要と公開が、抱き合わせ販売され、飢餓感を煽られた裕次郎世代のファンが多数押しかけ、記念品にワイン等が限定配布。
    「当日来られなかった方は通信販売です」という商法に、私の母親は毎回、財布のひもをゆるめていました。

    しかしこの商法、果たしてよかったのでしょうか。同じく昭和の大スターである美空ひばりさんも、節目に特集番組が組まれますが、コンサートや映画などのコンテンツは出し惜しみされることなく、80年代半ばから発売されていました。

    また、引退した山口百恵さん、ちあきなおみさんも二度と見ることができない伝説の歌手として知られていますが、前者はCD、レーザーディスク、DVD、ブルーレイ、ネット配信等、時代ごとの最新メディアにいち早く形態を変え、その度に多くのファンが最新メディアに買い替えるスタイルが定着しています。
    後者も特定の放送局にこだわることなく、ライブハウスで収録された貴重な映像も公開されたことがあります。

    さて、話は戻り、冒頭のセミナーでもう一つ言われたことがあります。
    それは「老舗のうなぎのタレをつぎ足しつぎ足し作っていると、常連客には普通だが、新規のお客様にはしょっぱくて仕方がない。新規のお客様が『しょっぱい』といっても、『それがうちの味です』と答えれば、新規のお客様は足が遠のき、そのうち店は立ち行かなくなる」ということです。う~ん、中々シュールですよね。

    時代とともに、偉大なスター俳優の名前が薄れ、そのファンも高齢化していきます。
    あるいは若い世代が扱いやすい最新メディアに、優良コンテンツをいち早く転換させなければ、いつしか鮮度は落ちます。
    熱烈なファンであった私の母は、いまや裕ちゃんが誰だか覚えていませんしね…。

    もしかしたら…撤退のポイントとしては、ちょっとしょっぱくなっちゃったかな?


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