【中小企業の羅針盤005】もしもの時のために!安否確認と緊急連絡体制構築のポイント

1. 災害発生時、安否確認の重要性と現状の課題

地震や台風などの自然災害が発生した際、従業員の安全を迅速に確認することは、
企業の最も重要な責務の一つです。

安否確認の遅れは、従業員の不安を増大させるだけでなく、その後の救助活動や
事業再開の遅延にも繋がりかねません。
しかし、従来の電話やメールによる安否確認は、災害発生直後の通信回線の混雑や
情報伝達の遅延といった課題を抱えています。

迅速かつ確実な安否確認体制の構築は、従業員の安全確保、家族の安心、
そして企業の早期復旧にとって不可欠な要素なのです。

2. 効果的な安否確認・緊急連絡体制の構築

迅速かつ確実な安否確認・緊急連絡体制を構築するためには、
複数の連絡手段を組み合わせることが重要です。

具体的には、安否確認専用のWebシステムやアプリの導入、
SNSやLINE・Chartworkのようなチャットツールの活用、
そして従来からの電話やメールによる連絡網の整備などが考えられます。

これらのツールを適切に運用するためには、従業員への周知徹底と
定期的な訓練が不可欠です。

また、緊急時の連絡体制においては、誰が、誰に、どのような情報を、
どのように伝達するのかといったルールを明確にしておくことが重要です。

初期の連絡者、情報集約担当者、意思決定者などを事前に決定しておくことで、
混乱を最小限に抑え、スムーズな情報伝達が可能になります。

3. 安否確認・緊急連絡体制を「使える」ものに

構築した安否確認・緊急連絡体制は、実際に災害が発生した際に機能
しなければ意味がありません。そのため、定期的な訓練を実施し、
その有効性を録画して検証すること等が不可欠です。

机上訓練だけでなく、実際にシステムを使用したり、模擬的な連絡網を
稼働させたりする実践的な訓練を行うことで、課題や改善点が見えて
きます。また、従業員の構成変化や連絡先の変更に合わせて、安否確認
システムや連絡網を定期的に見直すことも重要です。

もしもの時に、従業員とその家族の安全を確保し、迅速な事業再開に
繋げるためには、日頃からの備えと継続的な改善が不可欠なのです。


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