【2024年6月】「介護で悩まず相談して」も限界だった話

こんにちは。
危機的な状況をポジティブに乗り切る
防災・危機管理アドバイザーのマミです。

このブログでも「介護」について
語ったことがあります。

2025年の日本の医療費について
介護事業所がコンビニエンスストアより多いこと

などをテーマに取り上げてきました。
最近の新聞でも
2060年には認知症患者が6人に1人の割合
と掲載されています。

介護離職者も2023年10月時点で、年間10万人超だと
言われています。

「介護は大変」「一人で悩まず相談を」はよく聞かれる
フレーズですが、使える支援を申請し、使ったらトラブル発生、
その解決のために行政に相談しても限界だったことがあります。
今回はその経験談について少しご紹介します。

◆家族に無断で動くケアマネジャーは問題

個別具体的なやりとりを書くと長くなりそうなので、
図で整理してみました。

母は2016年に意味性認知症と診断されました。モノの名前を忘れ、
言葉を発せなくなる症状があります。
これにアルツハイマー型認知症も合わせて発症
しているため、現在、要介護2です。

当初、介護事業所の都合によりケアマネジャーが
5人も交代し、仕事の引継ぎがきちんとされない
人が来ることばかりでした。

その度に、家族が母の症状を文書で説明しなければ
なりませんでした。
介護をしながら仕事をし、彼女達のために引継ぎ文書まで作るのは
会社の仕事と同じ労力を使いました。

3年間、5人が同じ事業所内で会社都合によりグルグル交代
させられることで、家族の仕事にも支障が出たのです。

一番困ったことは、母の症状にあったデイサービスは
「ありません」「訪問リハビリしかありません」
と言われ続け、言語聴覚士の訪問リハビリをお願いしていた期間が
3年ほど続きました。
しかし言語聴覚士に食べ物を持ち帰られるトラブルがあり、母のリハビリにならないため、母のインテリジェンスに合ったデイサービスを探すと、なんと自宅からすぐの場所に、学習塾が母体となり、国立大学と研究を連携している脳トレ型の施設があったのです。

要するに「自分たちが勧めたくない」デイサービスだったから、
情報開示しなかっただけです。

こういうことが続いたので、信頼に値せず、ケアマネ事業所ごと交代
を決意しました。

2019年から担当のMケアマネは6人目で、脳トレをやってくれるGKファン
というところに頼んで紹介されました。

新型コロナの影響により、月に1回のケアマネ訪問は感染防止の観点から
玄関先で終わっていました。

習字、英単語、そろばん、絵画等の脳トレを3か月交代の周期でこなして
いました。
最初の数年はついていけたのですが、2023年の2月頃から、症状が進んで
くるのが家族にもわかりました。

そこで、GKファンの生活相談員に
「症状が進んでいるので、預かりができない場合はいつでもシグナルを出してほしい」とお願いしました。
Mケアマネにも、
「預かれない場合は、母親の症状に合った施設を早急に探したいからいつでも言ってほしい」と話していましたが、

「大丈夫です。施設の方からお断わりされるということはありませんから」
と何度も言われました。

その後、GKファンは職員の入れ替わりが頻繁となり連絡ミスが続くため、不安を感じるようになりました。
すると、2023年12月になってMケアマネが突然
「施設の方で効果測定が上がっていない。今なら1つ心当たりがあるから、家族でその施設に見学に行ってほしい。
そこの生活相談員と今のお母さんの状態を別途、一緒に見学に行く段取りがついている」と言い出したのです。

こちらとしては、2月から何度も申し入れをしていたし、11月から右足の麻痺が
だいぶ進んでいる様子を確認済みでした。
今にして思えば、もう少し母の症状に合った施設をじっくり決めたほうがよかったのですが、来月から施設変更を迫られ、暮れも押し迫る12月28日に空いているというデイサービス(ソ●●ト)を見学せざるを得ませんでした。

1月12日までGKファンにに通い、
1月15日からソ●●トに通う手続きをせざるを得ない状況が、家族にとってどれだけ負担だったか…。

気持ちを切り替えるしかありません。そこは45名定員のデイサービスで、理美容のサービスもオプションでついていると聞きました。

一方で母の症状は進み、病院の外来へ連れて行くのも困難になり、
2024年2月から訪問診療に切り替えました。

ソ●●トと最初のトラブルが起こったのは、まだ母を預けて
1か月少々の2月22日です。

自宅に突然、施設管理者から電話があり

●お母さんがうちの施設に来て元気になり過ぎ歩き回る
●こんなに歩き回るとは聞いていない
●次回、医師に見せた時に歩き回ることを話してほしい
●できれば静かになる薬を処方するようにしてほしい

とまで言われました。
家族としてそれは承服できませんでした。

●家族に電話する内容としては、極めて不適切である
●訪問医への指示権限はデイサービスにはない
●薬の処方について介護施設が介入すべきではない
●動き回る状況が迷惑であるなら休ませる

とお答えしました。

そして2回目の訪問診療日の2月26日、
医師が開口一番
「Mケアマネから病院に連絡がありました。おとなしくさせる
薬を処方してほしいとのことですが、どうしましょうか?」と言われ、家族は驚きました。

私たちの承諾なく、デイサービスとMケアマネが相談し、
ケアマネが独断で訪問医に連絡していたのです。
訪問医にお会いするのは、この日2回目です。ですから、母の様態を詳しく
把握しきれていません。

家族に断りもなく、独断で動くデイサービスと
ケアマネは、許すことができませんでした。

訪問医が帰った後にMケアマネから連絡があったので、
家族として抗議しました。
また、このような事態になっていることを
事業所の上司にきちんと報告することも重ねて
お願いしました。

Mケアマネとケアマネ事業所はFAXと電話の連絡手段しか
教えず、連絡してもいつも不通です。
結局、郵便で連絡するのが常でした。

これでは家族間で情報共有するのに時間がかかる、
事業所に代表メールがあるのなら、そのアドレスに連絡したいので
教えてほしいと頼みました。

しかし、代表メールは教えてもらえませんでした。

私達も仕事があり、母を預けざるを得なかったので、
4日休ませて2月27日から通所を再開しました。
しかしこのやりとりから、ケアマネの交代(またですが)
を再び考えるようになりました。

デイサービスやMケアマネとは他にも不信感が募る
やりとりが多数ありますが、ここでは割愛します。

◆行政は介護保険制度のトラブルを把握せずたらい回し

介護保険法第1条には

この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

とあります。
母親がデイサービスを変更し、やや回復の兆しを見せて
歩き回ることが、果たして「悪」なのでしょうか?
(母親から他人への暴力行為などは一切ありません)

●色鉛筆を食べようとしたからお菓子を持たせてほしい

と言われれば、袋菓子に名前を書いて1週間に一度の頻度で
持たせました。

職員にストレスが溜まっているのか、カバンを壊されて
帰ってきたことがありました。

「薬を飲ませないから立ち歩くのだ」
彼らのロジックとしてはそうなのでしょう。
服薬させた上で、車椅子に乗せれば、デイサービスとしては
楽だから。

自宅では鉄道番組を見ているとおとなしいです。
DVDに焼き付けてお渡しいたしますとお話して、
連休中に3枚焼き付けたものを渡したところ

●DVDを見てくれなかった
●15分に1回立ち歩く
●あなたのお母さんの対応で毎日ミーティングを開いている
●私がMケアマネとGKファンにいたお母さんを見学したときには
1時間座っていられた
●うちの施設に来てから目つきが変わり、元気になって動き回るようになった

と要介護者の尊厳より施設の効率を優先させるような発言が
相次ぎました。

5月になり、生活相談員からこのような発言を連発され、
いたたまれなくなり、それではしばらくお休みさせますと
お答えし、また母親を自宅で介護していました。

当然、仕事には大きな支障が出ました。

実は2月のMケアマネの無断で投薬を医師に相談する
一件以来、家族として行政にメールや電話で相談していました。
行政の動きは大変鈍いもので

「お気の毒ですね。ケアプランが作れる事業所のリストが
ありますから、ここから選んでください」(介護保険課)

「ケアマネ事業所のホームページがないので、どのような
事業所なのか判断材料がありません。何か情報があれば教えて下さい」(家族)

「こちらに掲載されている情報が全てです」(介護保険課)

「これだと事業所の評判がわかりません。利用者とのトラブルがあったとか
何らかの情報があれば教えて下さい」(家族)

「うちの部署ではやっていないので、指導監査課に聞いてください」

「データベース化はしておりません」(指導監査課)

このようなやりとりが3月にあり、
行政に頼むだけでは無理と悟りました。

そこで、Mケアマネを紹介してくれたGKファンの
生活相談員に連絡して事情を説明、
別なケアマネに心当たりがあれば紹介してほしい
と相談しました。

その席上

●母親の効果測定が上がっていないことはかなり前から
Mケアマネに話していた
●Mケアマネが家族にそれを報告していなかった

ということも判明しました。
とにかくケアマネを交代し、要介護者や家族の
状態に配慮した人、自分の考えを押しつけない人を
探すしかないと思いました。

水面下でその作業中、あらたな事件が起こりました。

2024年5月15日です。
すでにデイサービスを休ませて1週間経過したころでした。
「本日もお休みします」の連絡をいれたところ
ソ●●トの生活相談員から

●利用しないなら今月いっぱいで契約解除
●私だけじゃないみんなの意見である

と一方的に言われました。

実はこの時点で、デイサービスは
家族と交わした
「通所介護契約書」第10条(契約の終了)
に違反していました。

事業者からの契約解除はやむを得ない事情がある場合
1か月間の予告期間をおいて理由を示した文書を通知する
と書かれています。
解除事由も掲載されていました。
契約書を見直したところ、
母親や家族に、違反はありませんでした。

こうなった以上

●以前相談した自治体の指導監査課に連絡して行政指導をお願い
●新しいケアマネジャーの選定を急ぐ
●デイサービスを早急に探す

これをやるしかありませんでした。
新しい施設を探し、施設見学の予約を入れる
同時進行で行政機関への相談を再開しました。
家族はその間、介護の合間にできるだけ仕事をこなし
夜なべして行政宛の文書を作りました。

しかし結果は

行政は違法状態にある介護事業者の実態を把握しておらず
何かあっても頼りにはならない

ということがわかりました。
要点は下記のとおりです↓

◆デイサービス本社の信じられない対応

ソ●●トの生活相談員から一方的に契約解除を言われた時に

●施設に預けているお菓子は処分する
●施設に預けているDVDは送り返す

というやりとりがあり、翌日、DVDは返送されて
きました。

5月は理美容の利用や土曜日の振替え利用も
お願いしていたのに、その後の連絡もありません。

今回の出来事を本社に連絡したところ
何と「契約は解除されていません」と返信がありました。

生活相談員から一方的な契約解除の申し出あったから
次の施設を大至急、探しました。
お菓子は捨てられ、荷物も返送されているのに
「解除されていません」という言い訳が通用するのでしょうか?
信じられませんでした。

母は約2週間自宅介護し、現在は地域密着型の
小規模なデイサービスに通っています。
「立ち歩き」の症状はピタリと治まり、
落ち着いた生活に戻っています。

ご家族が動いたから、ケアマネさんが交代し新しい施設に
通えました。よかったですね

結果としてはそうなるのでしょう。
家族がまともに働けなかった約2週間の損失を
賠償してほしいと裁判したところで、
何年もかかりますし、そんな暇は
ありません。

しかし、家族の意向を無視したケアマネジャーや
今回のような介護事業者が何ら処分を科されず
利用者の声がきちんと集約されることもなく、
営業を続けることが果たしていいことなのでしょうか?

それだけ高齢化が進み、取り締まっている暇がない
手一杯だ
国の作った保険制度なのだから
ありがたく利用しろ、不具合に文句を言うな

そのような意向が見え隠れする、不思議な制度にしか
見えません。

要介護者と家族の意見が監督官庁の厚生労働省にまで
フィードバックされ、よりよい保険制度に改善されることを
願っております。