新しい市場に参入する
ことは簡単なことではありません。
競合他社との競争や地域ごとの文化・
規制の違いなど、さまざまな障壁が
立ちはだかります。
そこで成功するための秘訣として、
以下の要点を考慮することが
大切になります。
ここでは「EXPO」等の視察や、
いくつかの面談等を行った経験から
国内外展開を成功させるための方法について、
以下に詳しく説明していきます。
◆活力あふれる企業はたくさんある
8月3日に「ウェルネスフードジャパン2023」を
視察してきました。
東京ビックサイトは、同じテーマを集めて
合同展覧会の形で公開することもあり、
この日も「CAFERES JAPAN2023」
「第3回国際発酵・醸造食品産業展」
「第5回国際和食産業展」
「第2回和麺産業展」
との共同展示の位置づけでした。
東側第4ホールから第6ホールをぶち抜きにし、
各展覧会のジャンルにわけたゾーンで、
それぞれの産業が出展していました。
この辺は、JETROと農水省が後援していた
6月の「日本輸出EXPO」と違いはなく、
老舗系の隣に新興産業のブースがあったり、
パンをテーマにした一画があったとしたら、
実際にパン製造業をやっている企業、
その近隣に「パン屋を開業したい人
のための機械製造業」が出展していて、
関連産業ごとに見学できるような工夫が
ほどこされていました。
2~3区画ごとに商談用のブースが置かれ、
(大手企業は自前ブース準備)商品に
興味のある企業が、営業担当者に声をかけ、
面談するのが一般的ですが、
通訳が必要な場合は別途手配している
ようでした。
ベンチャー企業で、社員が流暢な中国語
で商談しているブースもあり、こうなると
【商機を逃さずワンストップできるプッシュ力】
があれば、若い企業でもワンチャンスあるんだと
いうことがよくわかりました。
◆集客導線の根幹
視察する中で、複数社からキレイに装飾
されたパンフレットをたくさんいただきました。
「モノ」を売る企業さんですので、Instagram
のアカウントをつけているところがたくさん
ありました。
Twitter(X)も同様です。
Amazonや楽天で売っていることを実績として
看板に出している企業もありました。
しかし、自分たちの本拠地である
「公式ホームページ」のURLを持っている
企業が少なかったのが意外でした。
老舗系であれば、当然公式ホームページがあり、
企業概要、資本金、設立年月日、住所地
取引銀行等が書かれていて、
別なページでトップのご挨拶、
商品紹介、社員のインタビュー、通販
ページのようなものが一般的だと
思います。
今はTwitterやInstagramにLINEの公式
アカウントのリンクを入れてもらい、
友だち登録してもらえれば集客できる
と考える人たちが一般的です。
実際、起業塾のようなところでそのような
導線を教えているようなところが大半でしょう。
しかし、海外から買いつけにくる外資系
企業、あなたの商材を扱いたい大手企業、
テレビ局、大学・研究所があったとします。
そういう人たちがまずどこを探してくるかと
考えればGoogle検索です。
検索してきちんとした「公式ホームページ」
(ランディングページ、ポートフォリオ)
を持っているかどうかを調べると思います。
そんなとき、その人たちが特にフォロワーに
なっていないSNSアカウントを探り当てて
あなたの商品を知りたいと思うことは稀です。
生産者と商品の顔、金融機関口座を開設して
いるかどうか等、一発でわかる
「公式ホームページ」があって初めて、
安心感につながる点は否めません。
弊社はコンサルティング系ではありますが、
SDGSパートナーズや講演のお話をいただいた
際、公式ホームページを開設していたことが
決め手になったことがあります。
また今後、政府系や自治体の補助金を
申請したい、入札参加資格を得たい、
クラウドファンディングをやりたいと
思ったときに、申請書類によっては
公式ホームページのURLを求められる
ことがあります。
公的なところほどこういうことを
気にかけるところが多いのは
間違いありません。
きちんとした本拠地(公式ホームページ)
があればこそ、宣伝部隊である
SNSが効果的になるのです。
◆表示の課題
食にまつわる展示会に行くと
商品を知ってもらうために
試食品を出されることが
一般的です。
しかし残念なことに
「食品表示」がきちんと
されていないことが気になりました。
展示場内に厨房をしつらえて
そこで作った商品(カレーやおでん)
を小分けにしてスプーンや爪楊枝で
出しているのなら、
その場で担当者に聞けば何が入っているか
わかるので、食品表示はいりません。
(企業によっては立て看板で表示していた)
しかし、地元の工場で作ったものを
小分け包装にして見学者に配る場合は、
食品表示が必要です。
6月のJETRO主催の輸出向けEXPOの時には
その辺の表示についてかなり厳格だった
ようで、多言語表示で食品表示
をしていた企業がありました。
7月・8月のEXPOについては、民間主催で
国や政府系機関が後援していなかったことも
あったのでしょうか。
「出展(参加)すること」がまず第一目的
となり、食品表示や家庭用品品質表示法
(雑貨のかばん、洋傘等)について、
どの程度条件が提示されていたのか
わかりませんでした。
また、展示場内で販売されている
食品に、食品表示はついていたものの、
・原材料と添加物を分けて表示していない
・原材料の重量の重いものから表示していない
・特定原材料と特定原材料に準ずるものの区別がわかっていない
ということに気がつきました。
外国人のバイヤー、出展者も当然
参加していましたので、海外市場を
視野に入れた商談となった際、
これは中々困難だろうなあと
思いました。
◆必要最低限のルールを守ろう
見本市(EXPO)に出展するということは、
既存の商工会議所のルートには満足できず
新しい販路を拡大したいという
強い意志のある方々だと思います。
本来、こういった方をつなぐためには、
JETRO(日本貿易振興機構)が全国の
商工会議所に呼びかけるといった試み
も必要だと思うのですが、その辺の
連携が不明確です。
先般、JETRO関係者からお話を伺う
機会がありました。
輸出に必要な視点だそうですが、
海外であろうが国内であろうが
大切なので概要だけ述べます。
1.販路拡大の目的を明確にする
2.輸出計画を立てる
3.全体像を理解する
4.商流のパターンを理解する
5.決済方法を検討する
6.取引先を探す
7.EXPOに出展したいなら多言語対応(英語できれば中国語も)
8.バイヤーは「安全性」を第一に考えていることを理解する
9.食品ならアレルギー情報は必ず書く
10.商談会には台本作成やメモを取ることが大切である
なお弊社では、国の政策動向に沿った事業立案や
数字分析を行い、アドバイスしております。
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