防災の日とコロナ対策

9月1日は防災の日です。「備えあれば憂いなし」の格言通り、例年、避難訓練が行われる日ですが、今年はコロナウイルスの影響により、訓練が中止されたり規模が縮小される自治体が数多いと思います。
令和2年7月豪雨」の避難所運営の経験談があちこちで紹介されていますので、それと合わせて考えてみます。

◆想定外のことが起きる

2020年7月9日付読売新聞「九州豪雨 避難所コロナ対策徹底」の記事には、避難所のスペース確保や利用者の健康チェック、発熱者への対応を自治体に促した上で、非接触型体温計やパーテーションなどを被災地に順次発送していることが明かされています。
この報道の3日前である7月6日には、避難所における新型コロナウイルス感染症への対応に関するQ&A(第2版)についてという文書が発表されています。
その約1カ月後の8月20日付読売新聞に、「避難所運営 半数が見直し コロナ禍3割 想定外経験」が掲載されていました。それによりますと、1日100人以上が避難所に訪れた九州6県の51市町村を対象に、避難所での想定外のケースが起きたか等を取材したとのことで、その概要は

1.25市町村が避難所運営のあり方を見直すと回答
2.約3割の市町村が想定外のことが起きたと回答
3.避難所の受付で検温をしてから入れるつもりが、施設内に入れてから検温になった
4.電話やインターネットが被災して不通になった
5.人手不足になった

等であり、非常に貴重な追跡調査記事でした。

◆3密を避けたいとは言え…

例えば検温ですが、国が非接触型体温計を救援物資として支給しても、それを使用する避難所の入場整理が困難だった場合、「3密」状態が起こります。
今回、入場後に高熱等の患者がいた場合、どのように別室まで誘導するのか、その人に新型コロナウイルスの症状が表われた場合、家族以外のどの範囲までを濃厚接触者と考えるのかがわかりません。
また、電話やインターネットが被災して不通になった市町村もあるそうなので、もしそうなった場合、保健所の指示を仰ぐことも非常に困難です。
保健所の機能そのものについても、感染拡大が続いている昨今、県をまたぎ職員を融通することを国が検討中です。そこに自然災害がバッティングした場合、誰が判断して指示を出すのかが重要になると思います。
自治体職員が手薄の状態なのであれば、地域の防災士、危機管理士に対応を依頼する、または士業の団体に依頼した上で、避難所ごとに受付事務等の役割分担を決定するだけでも、かなりの負担軽減になるのではないかと思います。

◆避難所開設の訓練も

千葉市では、コロナ禍で災害が発生した場合の、避難所の開設訓練を実施しました。避難者と受付者に分かれて飛沫防止用のシート越しに検温する等を学んだそうです。自然災害の訓練を、コロナ対策のために中止した自治体はたくさんありますが、コロナ対策を取りながらの避難所開設を訓練しているところはまだ少ないと思います。
今後、県内他市町村や自治体で、このような訓練が広がっていくのか注目しています。