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    今週は感染症危機管理について、オンラインと書籍で新しい情報が入ってきました。
    さる10月24日(土)に日本危機管理防災学会の第14回研究大会に出席。
    今年は新型コロナウイルスの影響により、すべてオンライン開催。開始直前に資料を印刷したため、ざっと目を通す程度で、エイヤ!と勢いで参加しました。

    ◆共通課題は「感染症危機管理」

    出席されたパネリストの先生は、臨床薬理学、DMAT、県庁の危機管理室職員、民間企業での豊富な経験をお持ちです。それぞれの分野から見た「新型コロナウイルス」について20分程度発表。

    1.感染症法や検疫法や予防接種法についての説明
    2.新型インフルエンザ等対策特別措置法と新型コロナウイルス
    3.国際保健規則についての説明
    4.DMATとしてダイヤモンドプリンセス号対応に当たった経験
    5.地方自治体としての情報伝達
    6.弱酸性次亜塩素酸水溶液の活用

    上記の発表中、活発なチャットがオンライン上に飛び交い、時間が足りなくなるほどでした。その後、パネルディスカッションへ。
    とりわけ印象的だったのは、DMATとしてダイヤモンドプリンセス号に乗っておられた先生からの発表でした。
    複雑な法律が絡み合う上に、縦割り行政の難しさと圧倒的な資源不足の中、乗客が定期処方されている薬剤の確保と実際の処置(診療・搬送)のための優先カテゴリーを確定するためのご苦労が語られました。
    実はこの日、別なクラスターが発生したため、先生は発表を終えられてすぐ退室なさいました。いまだ終息せず、こうして最前線におられる先生がいらっしゃるということで、色々考えさせられました。

    ◆同日に届いた書籍

    研究大会の休憩時間中、「新型コロナ対応民間臨時調査会 調査・検証報告書」がアマゾンから届きました。一般社団法人アジア・パシフィック・イニシアティブというシンクタンクがまとめた一冊。発売前から話題になっていたので、ずっと読みたかった本です。主に日本モデルと呼ばれた、クラスター対策と緊急事態宣言に至るまでの経緯等が書かれていました。任命された民間委員が、当時の大臣、官僚、専門家会議のメンバーからオンライン上でのインタビューに応じ、当時の様子を答えています。発表を聞いた直後でしたので、書籍の内容もスーっと頭の中に入りました。
    私がお話を聞いたのは現場レベルで対応に当たった先生だったため、書籍では抑え気味に表現されている内容も、より深いところでご説明いただいたのがよくわかりました。

    ◆ワイドショーも無駄ではなかった…のかな?

    介護その他に関するパワーハラスメントにより、職場を退職後、起業に向けて準備中だった1月~2月。武漢からきたウイルスがクルーズ船に入ったらしいというニュースが連日報道されていました。2月はその話題しかニュースもワイドショーもやっていなかったため、クラスター感染PCR検査条件ソーシャルディスタンス等々、日本中の人が色々な言葉を自然に覚えてしまったと思います。
    調査・検証報告書によれば、第一波の発症日をベースにした流行曲線を見ると、2月10日がピークで、政府が特別な対策をしたわけではないのに、自然に低下した時期があるそうで、

    この点に関しては、やはりダイヤモンド・プリンセス号のインパクトが大きかったと推測する…(中略)これらの報道が国民の意識に与えた影響は大きいと推察される。船ごと検疫された14日間、これから日本で何が起こるかについて、国民も、政府も、自治体も、医療者も、高齢者施設もじっくり考えて身構えることになった。この「身構え=awareness」が、首相による2月26日のイベント延期・縮小要請や27日の全国小中高校の臨時休校要請等を受け止める国民の意識の基礎になっていた可能性は高いと考えられる。

    と書かれていました。報道内容について「これは偏りすぎ」等の突っ込みをお茶の間でしようとも、心の中に新型コロナウイルスの基礎知識は確実に植え付けられたので、連日の報道も無駄ではなかったようです。

    ◆さて、これを広めるべく準備中

    日本危機管理防災学会の研究大会の続きですが、午後からは分科会形式で2つ出席。残念なことに、3つのうち2つが同時進行で開催されたため、すべて参加は不可能でした。分科会Ⅰは「プッシュ型支援のあり方」で、災害発生時、都道府県や区市町村の要請がある前に、国が物資支援を行うことを言います。その支援として、必要なものをどのようなルートで送るか、どの位の量を送るか、どこに送るか等の準備についての意見交換。
    分科会Ⅱは「コロナ蔓延期に災害避難のあり方を再考する」で、実際に、熊本県での集中豪雨で、コロナ対策をしながら避難所運営をなさった団体の方から発表がありました。
    さて、今私が切実に考えているのは、学術会議やシンポジウムで頂いた知識を、どうやって一般の人たちに普及していくかです。
    最初に在籍したエネルギー関連の職場は、いわゆる「邑(ムラ)社会」と言われている業界。入社早々、耳慣れない用語が溢れ「これは一般大衆への単なるPRとは違う。PA(パブリック・アクセプタンス)だ。すなわち1970年代のアメリカに由来して…」という成り立ちを延々と説明された上に、その用語と説明の仕方を覚えろ、これを説明してわからない人たちには広報しても意味がないと言われました。
    自分たちの業界団体でしか通用しない用語を用いた上に、必要なところに必要な量だけ広報する、それこそ「プッシュ型支援」なんて夢のまた夢。
    「講師派遣事業の予算が余っているから。使わなきゃ役所に返金しなきゃならない。そんなことしたら来年度から予算を減らされてしまう」という理由で、年度末の3月にパンフレット5万部を増刷。翌月が新年度。パンフレットは年度更新のため、すべて使用不可となり、貸倉庫行きになりました。使用不可とわかっているパンフレット5万部を年度末にアリバイ工作として増刷、それを実績として「事業報告書」に記載することが上司の成果だったわけです。
    これが国策事業として成り立っていることに耐えられなくなり、10年後に退職しました。その公益法人は一時マスコミを賑わせた後、存続しているようですが、今でも予算消化にパンフレットを印刷しているんでしょうか。

    私は民間レベルの「士」と呼ばれる資格をいくつか持ち、団体に所属しています。貴重な情報収集・意見交換の場に参加することもあります。問題は、そこで得た知識を、無理なくわかりやすい方法でお伝えできるよう、少しずつ準備していきます。みなさま、乞うご期待!


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