前門のコロナ、後門の災害

コロナウイルスの感染者報道は毎日、チェックを入れております。
どうやら世間の焦点は、来月の総裁選に移りつつありますが、そんな中、第8回首都防災ウィーク関連の様々なイベントが開催されました。
私は、9月3日(木)のプログラムに参加しました。

◆防災や危機管理に興味がある理由

そもそも、私が防災や危機管理に興味を持った理由は、最初の職歴にあります。およそ四半世紀前、私は国論を二分するようなエネルギー関連の広報財団にいました。何故入ったかというと、就職氷河期で仕事がなかったから。とにかく就職することしか頭になく、その仕事に対する社会の目を気にする余裕もありませんでした。
2005年頃、報道関係者向けのセミナー開催にあたり、「南海トラフ地震」をテーマに専門家を招聘することになりました。
担当者として、地震に対する基礎知識が必要であると考え、当時まだ珍しかった防災士の資格を取得したことがきっかけで、防災・危機管理関連の情報収集に興味を持つようになりました。

◆ポストコロナを見据えた首都圏の事前復興

このシンポジウムについて知ったのは、日本危機管理士防災学会からの案内でした。首都防災ウィークが毎年開催され、今年が8回目。今回、Zoomによる入場自由のイベントということもあり、気軽に参加しました。
当日は二部構成であり、第1部は3名の講師による各20分ずつの講演。テーマと概要は、

1.日本をけん引する関東を目指して
(建設コンサルタンツ協会副会長・関東支部長(株)オリエンタルコンサルタンツ代表取締役社長 野崎秀則先生)
人口の約4割、国内総生産の約4割を占める関東一都八県。うち、東京・千葉・神奈川・埼玉を「東京圏」と考える。東京圏で首都直下地震が発生した場合、人口約3600万人の移動は困難であるため、高速道路や鉄道等の整備が必要

2.ポストコロナの新しい様式と首都圏(東京都立大学名誉教授 中林一樹先生)
災害が発生した場合、コロナウイルスが流行している今なら、在宅避難者と縁故避難者が多くなる。その場合、①新しい生活様式 ②新しい仕事様式 ③新しい住まい様式 ④新しいまち様式 ⑤新しい経済様式 ⑥新しい国土様式 が必要

3.首都直下地震からの復興が目指す首都圏像はどうあるべきか
(東京大学生産技術研究所教授・東京大学社会科学研究所特任教授 加藤孝明先生)
既存の復興政策は常に陳腐化する。時代を先取りすることが重要

資料の配布がなく、必死でメモを取りました。詳細は主催者のホームページをご参照下さい。

◆パネルディスカッションも充実

本シンポジウム、危機管理「学」の趣で、難しく高度なお話の連続。しかし、面白い。
後半約50分は、3つのテーマ「ポストコロナで何が変わるのか」「今求められる『10年の構想』と『100年の体系』」「事前復興の限界と展望」について。

●30年以内に首都直下地震の発生する確率は70%
●その被害総額は約730兆円(推定)
●首都直下地震の被害を最小限に抑えるために早期の集中的な投資が必要
●しかし「防災」だけをやると反発が多い

といったシビアなご意見も出ました。
こうなった以上、新しい生活様式を我々が作っていくというお話があり、都市開発の転換の必要性、働き方改革の一環としてのワーケーションが大切であること、事前復興の可能性と展望としては、「目標像」を共有することが大切である等々、様々な単語が飛び出し、あっという間の2時間でした。

なお、このシンポジウムは、Youtubeで後日公開予定とのこと。ご興味のある方は、検索してみて下さい。