今回は地域のローカルニュースから見える千葉県の行政について考えてみます。
◆ターニングポイントはやっぱりここだった
以前吉川(よしか~)君に一本!のブログで、新型コロナウイルスの影響で海水浴場が閉鎖してライフセーバーも不足。そんな中、森田知事が一宮海岸を視察して、安全対策を推進しつつも、「Go To 千葉」のアピールを行ったことを紹介しました。ここ1か月間の、コロナウイルス対策に関する千葉県動静を見直すと、ターニングポイントはやっぱりこのあたりです。
◆クラスターと食中毒が同時進行
森田知事が一宮海岸視察の翌日、7月24日は県内に色々な動きがありました。
まず、千葉市内の飲食店でクラスターが発生して7人が感染、船橋市の飲食店では食中毒が起こりました。保健所は新型コロナウイルス対応で疲弊する中、食中毒対応もしなければなりません。現場のストレスは相当なものだと思います。
同日付の新聞には、7月16日(記事掲載日の8日前)の知事定例会見の抄録も掲載。
県内の最近の感染状況を問われ、
重傷者は少なく、病床数も現在458床を確保している
とあります。
記者会見後の状況変化はあるものの、「コロナウイルスへの危機感」「コロナウイルス以外で病床確保が必要な事態(海難事故・食中毒)」についての想定がなかったことがわかります。
◆一つの目安となる人数制限
7月30日は、東京都が都内の飲食店やカラオケ店に対して、「8月3日から31日までの営業時間短縮」を改正インフルエンザ等対策特別措置法に基づき要請することを発表。一方、森田知事も「5~6人以上の会食自粛要請」を発表しました。この時期、他府県でも「会食は5人まで」「1回2時間程度で」という数値を入れた要請をしていますので、これに関しては県民へのわかりやすさというのを考えたのだと思います。
ただ、同日の会見では、8月の夏休みシーズンに、森田知事本人が県内へ宿泊旅行に出かける考えを示した上で
「まさしく Go To 千葉だ。九十九里や房総に行きたいと思う」と述べた。
と話したのを読み、ああ。やっぱり、九十九里海岸を反対方向に走っちゃったなあと思いました。
きっと、多くの千葉県民は、この発言に違和感を持ったのではないでしょうか。
◆ステッカーより求めるもの
8月3日になり、森田知事は県作成のガイドラインを守る事業者に対して、ステッカーの掲示要請、病床確保を750床に増やすよう要請しています。
こういった取り組みは大体、東京都が動いて全国の道府県に流れ、道府県から市町村に波及するのが一つの流れです。
しかし、昨年の台風15号と19号発生後、千葉県内では、
1.政令指定都市である千葉市が動く
2.船橋市や市川市や松戸市が続く
3.その他市町村が動く
4.そこでようやく県が動く
という傾向が顕著です。
今回も、千葉市は独自に「感染症対策取組宣言の店」というステッカーを作成して配布したことが、7月31日に記事掲載されています。
また同日、浦安市も独自に「コロナ警報」を発令しています。記者会見で森田知事が県内旅行を表明した日と同日です。
市町村レベルで動きが出るのを待って動く、または国からの指示を待つのではなく、県としてトップダウンできる基盤づくりが一番大切だなあ…とは思うけど。
青春の勲章は くじけない心~だと~(『さらば涙と言おう』の2番)
の心境で、くじけず奮起を待っております、小林君!いや、森田健作知事!